当社は、プレス加工の工程内で、ネジ切り加工(タップ加工)までできる技術をもっていることで、お客さまに喜んでいただいているのですが、こうしたネジ切り加工までをプレス加工1工程で、できるまでには、前社長の熱い思いといくつもの失敗がありました。
その思い出を是非、みなさんと共有したいと思いました。
当初、ネジ切り加工は、プレス加工の後、ネジ切り加工として1枚1枚加工しておりました。ネジ切り加工は、プレス加工に比べて大変手間のかかる加工です。今も製品によっては、こうしたネジ切り作業を行っております。
当時、プレス加工後に、曲げ加工、ネジ切り加工が必要な製品を加工しておりました。ネジ切り加工は、垂直のネジ切りではなく、角度のついた箇所にネジ切り加工が2カ所必要でした。
この製品の加工受注数が、徐々に増え続けたため、ネジ切り加工にかかる時間が、他の加工に比べて増していきました。そんな時、発注先から、なんとか納期の短縮を図れないものかと相談がありました。ただでさえ、時間のかかるネジ切り加工を短縮化する。これはとても難しい問題でした。
しかし前社長は、これ以上、時間がかからない方法を解決するために、金型業社と自動化できる方法を探しはじめました。最初は、ロボットで、45度の角度で、2つ同時にネジ切りができないかと考えたのですが、一度や二度ではうまく行く事はありませんでした。
プレス加工→曲げ加工→ネジ切り加工の加工工程を プレス加工→ネジ切り加工→曲げ加工に変更することに考えたりと何度も何度も試行錯誤を繰り返したところ、金型でネジ切り加工ができないか?という、今までにないアイディアにつながることになりました。そして、金型業社と協力してさらなる試行錯誤を繰返し、プレス加工で、ネジ切り加工までができるようになり、無事、納期短縮が実現可能となったのです。
今となっては、前社長に、細かいことを聞く事はできないので、当時、一緒に携わった現社長と工場長からの覚えからの記事になりますが、その思いがあってこそ、今こうして、ネジ切り加工がプレス加工内でできるようになり、お取り引きさまから喜んでいただいております。
もし、ネジ切り加工のある製品をつくられることを考えていらしゃるのであれば、お気軽にお問い合わせいただければと思っております。